授乳期間中は、摂取した栄養素が母乳へとおくられるため、しっかりと食事をする必要があります。
しかし、何でもかんでもたくさん食べればよい! というわけでもありません。食べものによっては母乳の出が悪くなるもの、味が変わってしまうものなどもあります。
何となくは知っているけど実際にはあまり気にしてないというママも多いです。
今回は、授乳中のしこりの原因にもなる食べものについてピックアップしていきます。
この機会に、食生活を見直してみてはいかかでしょうか。
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授乳期の食べものから摂取するとよい3つの栄養素
- 鉄分
- カルシウム
- 葉酸
まず、バランスよく栄養を摂ることが大切です。
そしてその中でも、授乳中とくに積極的に摂りたい栄養素が上の3つです。
1.鉄分
母乳は血液から作られるので、鉄分が不足すると貧血を起こしやすくなります。
2.カルシウム
授乳期、体内の栄養は母乳へと吸収されます。それはカルシウムを蓄えている骨も例外ではありません。
産後のカルシウム不足は将来、骨粗しょう症などの要因にもなります。
3.葉酸
妊娠時から、赤ちゃんの発育をうながす栄養素として摂取が推奨されている葉酸ですが、授乳期も同じです。
母乳で栄養をもらっている赤ちゃんにとって、成長のために欠かせない栄養素です。
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授乳中に積極的に摂りたいよい食べもの5選
- 緑黄色野菜
- 根菜類
- 海そう類
- 魚介類
- レバー
授乳中のママがなりやすいトラブルのひとつとして、水分不足による乾燥があります。これは、体内の水分も多く母乳へと送られるからです。
水分不足は、「肌荒れ」や「産後ニキビ」も引き起こしてしまいます。
こまめに水を飲むようにすることで水分不足は補えますが、食べもので体内の水分量を増やすことも心がけましょう。
1.緑黄色野菜
水分量も多く、葉酸や鉄分も摂れる緑黄色野菜は積極的に摂るようにしましょう。
果物も水分が多いですが、摂りすぎて体を冷やしてしまうこともあるので注意してください。
2.根菜類
野菜や果物のスムージーは、飲みやすくてよいのですが、体が冷えるのは避けたいですよね。
体内を温める食べものとしては、野菜の中でも根菜類が理想的です。
スープなどで摂取すると、水分もたくさん摂れて体も冷やしません。
3.海そう類
海そう類は、鉄分をはじめミネラルを多く含んでいます。
低カロリーで栄養が豊富な食べものなので、たくさん摂取することで母乳の質を向上させてくれます。
なかでも海苔は、葉酸も多く含んでいるため積極的に食べるようにしましょう。
4.魚介類
栄養バランスのよい食事としては、魚を中心とした和食は理想的といえます。
魚介類はカルシウムが豊富な食べもので、妊娠時から積極的に摂ることが推奨されています。
とくに、殻ごと食べる桜エビや、骨も食べられる小魚などはオススメです。
カルシウムはもちろん魚からはDHAも含まれています。DHAは子供の成長には絶対必要です。
5.レバー
貧血防止によいとされるレバーも、積極的に摂りたい食べものです。
また、レバーには葉酸が多く含まれています。
食事で摂る葉酸には、過剰による健康被害などはありません。赤ちゃんにもママにもよい食べものなので、たくさん食べるようにしましょう。
授乳中に注意したい食べもの8選
では反対に、授乳中に注意したい食べものを挙げてみましょう。
- お酒
- コーヒー、紅茶、緑茶
- 洋菓子
- チョコレート
- お餅
- スナック菓子、カップめん
- 揚げもの
- 辛いもの
1.お酒
妊娠時はお酒を控えていたけれど出産後はのんでも大丈夫と思う人は意外に多いです。
しかし、アルコールは母乳を通して赤ちゃんにも吸収されてしまいます。
少しなら……ではなく、授乳期もアルコールを含むお酒は絶対に控えてください。
2.コーヒー、紅茶、緑茶
コーヒー、紅茶、緑茶にはカフェインが多く含まれています。
ママが摂取したカフェインが、母乳に吸収される割合は1%程度とされています。
わずかといえるかもしれませんが、1日何杯もコーヒーを飲むなどは控えましょう。
赤ちゃんがカフェインを摂りすぎた場合、寝付きが悪くなる、脳の成長が遅くなるなどの影響があります。
3.洋菓子
ケーキやアイスクリームなど、脂肪分の多い生クリームや糖分がたっぷり含まれた洋菓子は、母乳のつまりの原因となります。
これは私の体験談になりますが、授乳期にしこりができて母乳が詰まり、すごくつらい思いをしたことがあります。
そうなる前日は、決まってお気に入りの洋菓子店でケーキを食べていました。
授乳中のしこりは痛いだけでなく、取れないしこりを放っておくと乳腺炎になる危険があります。
予防のためにも、乳脂肪分の多いお菓子は控えるようにしましょう。
4.チョコレート
チョコレートは糖分、脂肪分も多く、カフェインも含まれています。
少しであれば影響はありません。しかし、目の前にあるとついつい食べすぎてしまう人も多いです。
私もチョコが好きで、大袋で買ってしまうとあっという間に食べてしまいます。
チョコが大好きな人は授乳中にチョコを買う場合、少量を買うようにしたほうがよいですね。
5.お餅
お餅はカロリーが多い食べものです。
「母乳の出がよくなる」
といわれ、沢山食べるようにと勧められることもあります。お餅を食べると母乳がたくさん作られるというのは本当です。
ただ、摂取しすぎると母乳が作られすぎてしまうことになります。
まだ赤ちゃんの飲む量が少ない時期は、作られすぎた母乳が原因でしこりができてしまうことがあります。
おっぱいが張ると感じるときは、控えたい食べものです。
6.スナック菓子、カップめん
塩分や油分の多いスナック菓子やカップめんも注意が必要です。
塩分の摂りすぎはむくみの原因にもなります。
油分は母乳の詰まる要因になります。
添加物も多く含まれている食べものなので、できれば必要でない限りは食べないようにしてください。
7.揚げもの
揚げものは脂肪分が多い食べものです。
脂肪を摂りすぎると、血液はドロドロになり、母乳の質も悪くなってしまいます。産後の育児疲れで、スーパーのお惣菜やお弁当を頼る日もあるでしょう。
そんな時、揚げものばかりを選んでしまわないよう注意しましょう。
8.辛いもの
唐辛子などの香辛料は、母乳の味に影響するといわれています。
こちらも私の体験談になりますが、キムチを食べた後、子供が泣きながら授乳拒否をしたことがありました。
ただこれは、全ての赤ちゃんがそうというものではありません。
機嫌よくおっぱいを飲んでいるのならそこまで問題はありませんが、飲みしぶりがあるようなら控えたほうがよいでしょう。
授乳中や妊娠中の食べもので子供が食物アレルギーになることは?
母乳には、ママが食べたものがほんのわずかな量ではありますが、成分として含まれます。
そのため、授乳時期の赤ちゃんにアレルギー反応がでるという場合もあります。ですが授乳期にでるアレルギー反応はほとんどが軽い症状で終わります。
心配だからといって、自己判断で除去食をとりいれることはあまりオススメできません。
横田小児科医院院長(小田原市)横田俊一郎先生は、乳児の食物アレルギーの80~90%は1歳をすぎたら自然に治るとおっしゃっています。
昭和大学医学部小児科学講座 講師今井孝成先生は、担当の先生と相談する前提ですが、ママまで食品の除去は必要ないと答えています。
授乳中は子どもの原因食物をママも除去した方がいいのですか?
母乳には少量ながらもお母さんが食べたものが分泌されます。しかし、その量は微量でお母さんの体調や体質によって異なります。またお子さんがどれくらいの量の原因食物で反応するかも違います。多くの場合、お母さんの除去まで必要なことはありませんが、主治医に相談して診断してもらいましょう。
どうしても心配だという場合は、生後4ヶ月頃からアレルギー検査をおこなうことも可能です。
ただ、アレルギー検査は100%ではないうえ、赤ちゃんにも負担となります。
本当に必要かどうかよく考えてから判断しましょう。
妊娠中の食事の影響でアレルギーになるという可能性はほとんどありません。
ただ、アレルギーは遺伝性のものなので、両親や身内にアレルギーの人がいるとアレルギーになる可能性は高いです。
子供さんにアレルギーがあったからといって、妊娠中の食事が悪かったなどと自己嫌悪にならないようにしてくださいね。
母乳の免疫成分のはたらきとは?
母乳自体にも強い免疫力があり、アレルギーを抑える役割を持っています。
- 病原体が消化管への付着を予防
- 消化管のバリア機能向上
- 病原体とたたかう力を向上
病原体が消化管への付着を予防
消化管への病原体の付着を予防する成分(シアル酸、ガングリオシド)
シアル酸やガングリオシドは、病原体に結合し、 消化管に付着させないようにして 赤ちゃんを守ります。
母乳には100種類以上のオリゴ糖が含まえていて、赤ちゃんの腸内環境を整えてくれます。
オリゴ糖は善玉菌のエサになります。そして、母乳オリゴ糖によって悪玉菌は増えません。
消化管のバリア機能向上
アレルギーの発症と関係する母乳成分(リボ核酸、ポリアミン)
アレルギーを発症しなかった乳幼児の母乳中のリボ核酸、ポリアミン濃度は高いと報告されています。
産後まもない赤ちゃんの消化管は未発達です。食物アレルギーの原因になるアレルゲン(未消化のたんぱく質)が未発達な消化管を通って体内に入ってしまいます。
リボ核酸、ポリアミンは未発達な消化管を成熟化させる作用があります。その結果、アレルゲンが体内に入るのを防げます。
病原体とたたかう力を向上
ヌクレオチド添加乳がナチュラルキラー(NK)細胞を活性化して病原体とたたかう力を向上してくれます。
画像引用:雪印ビーンスターク 赤ちゃんの免疫やうんちのこともくわしく書いてあります。
授乳中のママがもらってうれしい食べものプレゼント6選
出産した友人の家に遊びに行くとき、何を持って行こうと悩んでしまいますよね。
ベビーグッズや洋服をプレゼントとして持っていく人が多いでしょう。もちろんママにとっては、それらのプレゼントもとてもうれしいです。
毎日の育児に追われるママはなかなか自分へのご褒美の時間もとれません。
そんな“ママさん”への美味しいプレゼントはいかかでしょうか。
- フルーツ
- 100%ジュース
- ゼリー
- 低カロリーのお菓子
- ノンカフェインの飲みもの
- 無添加のインスタント食品
この6つのプレゼントなら、喜ばれること間違いありません。
1.フルーツ
お見舞いなどでも人気ですが、産後ママにもフルーツのプレゼントはオススメです。
果物は水分が多く、ビタミンも豊富です。
産後の肌荒れ対策にも効果があるので、旬のフルーツの詰め合わせなどはとてもよろこばれますよ。
ただ、体を冷やしてしまう南国系のフルーツは避けたほうがよいでしょう。
2.100%ジュース
素材そのまんまの100%のジュースも授乳時期にはうれしいプレゼントです。
切ったり洗ったりという手間もなく、水分補給もできるのでよいですよね。
3.ゼリー
ゼリーは食べやすく、母乳への影響のない食べものとして優秀です。
ただ、添加物が含まれているものもあるので、選ぶときは注意してくださいね。
果肉がそのまま入っているものなどは食べごたえもあってうれしいですね。
4.低カロリーのお菓子
授乳中、糖分や脂肪の多い食べものを控えるママは多いです。
けれど女子はやっぱりスウィーツが好きですよね。
なかなかお菓子が食べられないママさんに、低カロリーのお菓子のプレゼントはどうでしょう。
最近はヘルシーブームで、低カロリーでも美味しいお菓子はたくさんあります。
おからクッキーや砂糖不使用のケーキなどを選んであげるとよろこばれますよ。
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5.ノンカフェインの飲みもの
産後は生活環境の変化やホルモンバランスの乱れで、ストレスが溜まりやすいです。
そんなとき、リラックスできるティータイムがあるとストレスも軽減されます。
コーヒーや紅茶が好きなママなら、ノンカフェインのコーヒー、紅茶のプレゼントはうれしいですね。
また、癒し効果のあるハーブティーの詰め合わせなどもオススメですよ。
低カロリーのお菓子とセットでプレゼントするとってもよろこばれます。
6.無添加のインスタント食品
授乳中は栄養バランスのとれた食事が大切です。
ですが慣れない育児、数時間おきの授乳など、なかなか思うように時間が取れないものです。
温めるだけ、お湯をいれるだけでできる無添加のインスタント食品は忙しい産後ママにはとても助かります。
1品で沢山の栄養がとれる野菜スープや具だくさんのお味噌汁などは体にも優しくてよいですね。
有機JAS認定 無添加 フリーズドライ 有機野菜 濃い ポタージュ スープ 4種類16食セット (コスモス食品 コーン ポテト トマト えだ豆) (即席 スープ)
まとめ
妊娠中~卒乳するまで、ママが口にする食べものは赤ちゃんにも大きく影響してきます。
人によって個人差はありますが、妊娠~卒乳までおおよそ2年ぐらいは食べものに気をつかう日々が続きます。
産後は好きなものを好きなだけ食べたいと思ってしまうときもあるかもしれません。
だけど、想像してください。
長い子育ての中で、授乳時期はほんのわずかな期間です。
今後、お子さんと一緒に美味しいものをたくさん食べられる日々はすぐにやってきます。
そのときまでのお楽しみにして、今はママも赤ちゃんも快適にすごせる授乳ライフを送るようにしましょう。
母乳が「つまる・少ない」ママや、産後の体調不良が長く続く場合、ある成分が不足しているかもしれません。そのある成分とは?
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