林先生の初耳学(2017年11月19日放送)でもやっていましたが、薬の常識問題として「常温保存」と「室温保存」の違いってはっきりしませんよね。
- 室温保存:1~30℃
- 常温保存:15~25℃
温度差で区別されていますが、そのはっきりした違いをお伝えします。
薬の「常温保存」と「室温保存」の違いとは
日本薬局方通則で決められています。
- 室温保存:1~30℃
- 常温保存:15~25℃
- 冷所保存:1~15℃
- 微温:30~40℃
- 標準温度: 20℃
出典:第十六改正日本薬局方の通則第15項
※遮光保存:日光などの光が当たらない場所。目薬などは使用後はちゃんと遮光袋に戻しましょう。
室温保存の場合
薬剤師からの指示がない限り室温保存が基本になります。
逆に「冷蔵庫には入れないでください。」と指示される場合もあります。
夏場だと部屋が30℃を超える場合もありますよね。玄関先など部屋の中でもっとも涼しい場所に保管するとよいでしょう。
冷蔵庫保管は薬剤師に確認してください。なぜなら薬によりますが、冷蔵庫に入れておくと薬の効果が薄れる場合があります。これは出し入れによる温度差で湿気を吸ってしまうからです。
とくに野菜室は湿気が多いので適しません。
常温保存の場合
ドラッグストアで購入できる薬なら「直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所」と書いてあります。
一般的に顆粒製品は、長期保存条件として常温(15~25℃)、相対湿度40~60%が好ましいとされております。
引用:三生医薬株式会社※1
小児の咳止めシロップは常温と書いてあるもがあります。
冷所保存の場合
シロップや目薬、座薬、糖尿病患者さんが使う未開封のインスリンは冷所保存です。
冷凍保存はダメですよ! 誤って凍らせた場合、解凍して使うのはやめましょう!
シロップ薬はとくに育児中のご家庭で使用する機会が多いと思います。忙しくて、「使ったあと冷蔵庫に入れるのを忘れて半日たっていた。」
そんなこともあるかもしれません。
市販薬なら、開封後しばらく経っているなら破棄したほうが無難です。
医師から処方された場合、調剤薬局に問い合わせてください。薬によって保存の違いがあります。1番安全なのは破棄することでしょう。
薬の期切限れはどうする?
ちゃんと飲んでいたつもりでもなぜか残る場合がありますよね。また病気になったときに使おうと保管している人も多いですよね。
薬の使用期限の確認方法
使用期限は「未開封で適切に保管されている」薬が前提です。
マイナビニュースで、「使用期限が切れた薬!あなたは飲みますか、捨てますか!?」というおもしろいアンケートがありました。
第1位・・・使用期限が切れたら使用しない | 30.3%(91) |
第2位・・・半年以上~1年未満 | 21.3%(64) |
第3位・・・3ヶ月以上~半年未満 | 10.7%(32) |
第4位・・・1年以上 | 10.0%(30) |
第5位・・・3週間以上~1ヶ月未満 | 7.7%(23) |
第6位・・・1日未満 | 5.0%(15) |
第7位・・・2ヶ月以上~3ヶ月未満 | 5.0%(15) |
第8位・・・1ヶ月以上~2ヶ月未満 | 3.3%(10) |
第9位・・・4日以上~1週間未満 | 2.3%(7) |
第10位・・・1週間以上~2週間未満 | 2.0%(6) |
出典:マイナビニュース※2
市販薬
箱に記載されています。
商品によって開きが大きく、製造後6か月~5年の幅があります。インターネットで検索すれば確認できます。
医師が処方した薬
使用期限がわかりません。「飲みきる」、「使いきる」前提で処方されています。
愛知県薬剤師学会のサイトには、使用期限の目安が掲載されています。
粉薬・顆粒 | 3~6か月 |
カプセル | 6か月~1年 |
坐薬 | 6か月~1年 |
軟膏 | 6か月~1年 |
錠剤 | 6か月~1年 |
出典:愛知県薬剤師学会※3
目薬
保管状況や使用方法によっても違いますが、開封後は医師に処方してもらった目薬は1か月以内、薬局で購入された目薬で3か月以内の使用が目安
引用:浅野眼科クリニック※4 愛知県名古屋市瑞穂区の診療所です。
日本の薬の安全性は高い
世界的にみても、厚生労働省や医薬品メーカーの検査はとても厳しいです。
PIC/S GMPという世界と同じ規格書を使う取り組みがあり2014年に日本が加入しました。「ゆるい項目は世界基準に。厳しい項目は日本基準に。」となるように改定されつつあります。
使用期限をすぎたからと薬の効果がゼロになったわけではありません。急に有害になることもありません。ただ薬の中には害になる場合もあるので期限は守りましょう。
抗生剤
テトラサイクリン系とよばれる抗生剤があります。使用期限切れの場合変性してファンコニ症候群という病気が発生するおそれもあります。
出典:MSDマニュアル※5
胃腸薬
漢方薬の成分である生薬や、消化酵素入りの薬が多いのですが、変質しやすいです。
シロップタイプやドリンクタイプなどの液体は期限が切れると細菌が繁殖する場合があります。
目薬
医師から処方される場合、防腐剤が入っていない目薬も多く、腐敗すると目の充血や感染する場合もあります。
アスピリン
アセチルサリチル酸は時間経過すると、防腐剤にも使用する有害物質「サリチル酸」に分解されて胃腸障害をおこす。
薬をもらったら袋や容器に日付を書いておきましょう。
薬の保存期間
商品によって開きが大きく、製造後6か月~5年の幅があります。
もし、開封して半年をすぎた薬はたとえ使用期限内だとしても使わないほうがよいでしょう。
とくに胃腸薬は消化酵素や生薬は変性しやすいです。
目薬やシロップ剤などの液体はカビや雑菌が繁殖する可能性もあります。とくに注意しましょう。
開封した場合
- 粉薬・顆粒:3~6か月
- カプセル:6か月~1年
- 坐薬:6か月~1年
- 軟膏:6か月~1年
- 錠剤:6か月~1年
- 目薬:約1か月
- 液体:細菌の発生や変質した可能性があるので残ったら破棄
薬の保存方法
保存するときに注意することは「光」「温度」「湿気」です。
車の中は厳禁
薬にとって1番辛い環境です。直射日光、夏の車内など室温保存、常温保存、冷蔵保存どこからみてもダメな場所です。
とくにビタミンB2は光に弱い成分が含まれています。
乾燥剤を使用する
お菓子などについている乾燥剤を有効利用しましょう。粉末や錠剤など湿気が苦手の薬は多いです。
湿気をふくむとカビが発生する場合もあるので乾燥剤があると便利です。
軟膏やクリーム
基本は室温保存です。薬剤師から冷蔵保存を指示されるものは冷蔵庫に入れましょう。
室温保存のものでも、真夏で温度が高くなりすぎるとやわらかくなりすぎるものもあります。玄関先など涼しい場所に保管しましょう。
冬場はやや温かい場所に保管しましょう。
坐薬
処方されるときには、「冷蔵保存してください。」といわれる場合がほとんどです。しかし室温保存可能なものもあります。
湿布薬
袋を空けたらしっかり閉じて保管しましょう。
子供の手が届かないところに保管する
誤って飲んでしまうと薬の副作用はもちろん、大きな錠剤などではノドにつまる可能性もあります。
風邪などで薬を飲ませたあとはちゃんと高い場所など手が届かない場所に保管しましょう。
その他にも、薬の袋や容器には日付を書いておけばわかりやすいですよ。
防虫剤や殺虫剤、農薬などと間違える場合があるかもしれません。万が一に備えて近い場所には保管しないようにしましょう。
まとめ
とくに病院から処方される薬は置き薬ではありません。
指導されたように飲むのが基本です。
開封した場合
- 粉薬・顆粒:3~6か月
- カプセル:6か月~1年
- 坐薬:6か月~1年
- 軟膏:6か月~1年
- 錠剤:6か月~1年
- 目薬:約1か月
- 液体:細菌の発生や変質した可能性があるので残ったら破棄
あくまでも目安ですが、正しく飲んで健康な日々を過ごしましょう! 薬は病院のときに飲みますが、健康のために飲むのがサプリメントです。
とくに子供からご年配のかたまで飲むほうがよいのがDHAです。子供でも飲めるという基準でDHAサプリメントを比較しました。
ぜひご覧ください。>DHAサプリ比較8選!しかも子供が飲める商品も発見
引用:三生医薬株式会社※1
出典:マイナビニュース※2
出典:愛知県薬剤師学会※3
引用:浅野眼科クリニック※4
出典:MSDマニュアル※5
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