まだ小さくてかわいい子供の歯。絶対に虫歯にさせたくないですよね。
子供用の歯磨き粉は、何種類も売られています。どれを使ったらいいのか悩みますよね。
その子に合った歯磨き粉を利用して、みんな歯磨き好きになってもらいたい! だけど、間違った子供の歯磨き粉選びをしていると、歯磨き嫌いになってしまいます。
そこで今回、いつから使うのがベストタイミングなのかと、私が離乳食頃から使用した子供の歯磨き粉も紹介します。
子供の歯磨き粉はいつから使う?
子供の歯磨き粉はいつから使うのでしょうか?
飲み込んでしまっても問題はありませんが、歯磨き粉は食べものではないという意味でも、うがいができるようになってからが望ましいです。
うがいができるようになるまでは、水でしっかり磨くようにしてあげましょう。
赤ちゃんは生え始めの歯(下前歯)が虫歯になることはほとんどありません。
唾液の量が多く、下の前歯は自浄性も高いので歯磨き粉は使わなくても構いません。
いきなり歯ブラシに歯磨き粉をつけて使用すると、驚いたり痛みを感じる場合もあります。
まずは使い捨ての小さく切った綿100%のガーゼで、下の歯が2本生えたら歯磨き粉は使わずに1日5~6回、ミルクかすや離乳食の残りを磨きましょう。
上下の前歯が生えたら本格的に歯ブラシを使用しましょう。嫌がる場合はガーゼでも構いません。
膝の上に仰向けで磨くと思いますが、嫌がる場合は授乳の体勢や立たせて後ろから磨くのもよいでしょう。
とにかく短時間で歌を歌ったり、たくさんほめたりしながら楽しい時間にしてあげましょう。
奥歯が生えたら歯ブラシを本格的に使用していきましょう。
赤ちゃんの月齢に合わせて、赤ちゃんが持ちやすい歯ブラシ。それと、ママの仕上げ磨き用歯ブラシを選びましょう。
歯を丈夫にするためにも、早くからフッ素を取り入れたいですよね。
うがいができない場合は、ジェル状のものでフッ素が低濃度の500ppmF以下のものを使用し、ガーゼで拭き取るなどすれば大丈夫です。
出典:※1
子供用歯磨き粉の3つの特徴
子供用歯磨き粉の特徴は3つあります。
1.味
大きな特徴は味です。子供が好きな甘い味が特徴です。
イチゴ味やブドウ味など、歯磨きが楽しくなるような味がします。
甘い味がしても歯に影響はありませんのでご安心ください。
2.研磨剤の量
研磨剤とは、削って歯の汚れを落とすものです。
大人用の歯磨き粉は、研磨剤がたくさん含まれていますが、子供用にはそれほど多く含まれていません。まったく含まれていないものもあります。
研磨剤といっても、実際に歯が削れてしまうほど強いものではないので、安心して使いましょう。
3.フッ素とキシリトールの量
子供用の歯磨き粉には、フッ素とキシリトールが多く使用されています。フッ素とキシリトールは、虫歯予防に効果があるものです。
子供の歯は虫歯になると進行が早いため、虫歯にならないように予防することが大事だからです。
大人用の歯磨き粉は、歯茎の病気を防ぐ効果のあるものが含まれているのが特徴です。
大人は虫歯で歯を失うことよりも、歯茎の病気で歯を失うことのほうが多いからです。
以上3つの違いがありますが、大人も子供も、どちらを使っても問題はありません。
出典:※2
フッ素の役割は?
フッ素は歯によいと聞きますが、どのような役割をしているのでしょうか?
フッ素※には歯垢(プラーク)の細菌の活動を抑えること、溶けたエナメル質の修復、歯質を強化するなど、むし歯の発生を防ぐ効果があり、予防に有効な成分として注目されています。※フッ化物、フッ素化合物を「フッ素」と表現しています。
引用:※3
簡単にまとめると、細菌の活動を抑え、歯を修復して強くする働きがあるということです。
特に、生えたての乳歯は柔らかいので、フッ素を取り入れて歯質を強くしたいものです。
フッ素を取り入れるさいには、長くコツコツと続けることが大事です。
歯のエナメル質が溶ける「脱灰」と、溶けたエナメル質を修復する「再石灰化」を繰り返しています。
ここでフッ素を毎日取り入れることで、再石灰化の働きをうながすようにすることで虫歯予防になります。
出典:※4
子供用歯磨き粉の選びかた
フッ素が入っているものを選びましょう。
子供用歯磨き粉の大部分にフッ素が含まれていますが、入っていないものもあるので注意して見てみましょう。
歯磨き粉に含まれるフッ素は、3種類あります。
「モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)」「フッ化ナトリウム」「フッ化第一スズ」
成分表示を見て、これらのうちどれかが入っているかチェックして選びましょう。
フッ素の種類 | 特徴 | 主な歯磨き粉 |
モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP) | 最も使われているフッ素です。多くの製品のフッ素濃度は900~1,000ppmとなっています。 | ライオン子供ハミガキ
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子供クリアクリーン |
フッ化ナトリウム | Doクリア子供ハミガキ
クリニカライオンKids |
|
フッ化第一スズ | 茶渋が付きやすくなるため、あまり使用されていません。 | Home Gel |
出典:※5
うがいができれば、フッ素がより高濃度のものを選ぶようにしまょう。
フッ素の年齢別適切量、厚生労働省サイトより
こちらに年齢別の適切な量をまとめた表を、厚生労働省のサイトより引用しました。
年齢 | 使用量 | 歯磨き剤のフッ化物濃度 |
歯の萌出〜2歳* | 切った爪程度の少量 | 500ppm(泡状歯磨き剤ならば1,000ppm) |
3歳〜5歳 | 5mm以下 | 500ppm(泡状またはMFP歯磨き剤ならば1,000ppm) |
6歳〜14歳 | 1cm程度 | 1,000ppm |
15歳以上 | 2cm程度 | 1,000ppm |
*仕上げ磨きに保護者が行う。
出典:※6
うがいができず吐き出すことができない3歳以下は、飲み込んでも害の心配がないよう、500ppm以下のジェル状・泡状・液体(スプレー式)のものを選びましょう。
1歳から3歳までは、歯のフッ素症にかかりやすいからです。
日本の場合は全身応用がされていないので、過剰に心配する必要はありませんが、フッ素が500ppm以下のものがおすすめです。
フッ素も大切ですが、できるだけ無添加の歯磨き粉だと安心ですよ。小さい子供は歯磨き粉をそのまま飲んでしまうことが多いです。
できるだけ、自然派がよいですね。フッ素が配合されていなくても、珪素(ケイ素)配合の歯磨き粉ならお口の中を十分清潔に保つことができて、なおかつ安心です。
あとは子供が好きな味やキャラクターがついていると、歯磨きを楽しんでくれるようになると思います。
お子さまの好きなキャラクターや味があれば、そのようなものを選ぶのも手ですね。
出典:※7
子供用歯磨き粉オススメ8選
市販されている子供用歯磨きの人気があるものを選びました。
1.クリニカKid’sハミガキ
フッ素濃度は900ppmと、子供用歯磨き粉の中でも高濃度なのが特徴です。
ディズニーキャラクターが描かれており、ディズニーが好きなお子さまにはイチオシかも!?味もピーチ味など、おいしそうな味が揃っています。
こちらの商品は、永久歯が生えたての子供むけですが、うがいができるようになったら使える小さいお子さま向けのジェルタイプのものあります。
年齢に応じて使い分けられますね。
2.レノビーゴ
スプレータイプで、フッ素は低濃度の100ppmです。
磨いたあとの仕上げ磨きのさいに使います。
フッ素が低濃度なので、うがいのできない小さいお子さまに適しています。
3.ピジョン ジェル状歯みがき ぷちキッズ
1歳6ヶ月頃の離乳食完了期のお子さま向けにつくられたジェル状の歯磨き粉です。
フッ素濃度は500ppmと低濃度。食品用原料成分でできているので、うがいができなくても安心です。
4.ライオンDENTチェックアップkodomo
フッ素は950ppmと非常に高濃度です。
かわいい動物のイラストがパッケージにデザインされており、味もストロベリー、アップル、グレープと子供が喜ぶ味が揃っています。
こちらはジェルタイプではなく、少し泡立つので、うがいがしっかりできるようになってから使うとよいですね。
5.クリアクリーンキッズ
フッ素濃度が1000~900ppmと非常に高濃度です。
④のライオンDENTチェックアップkodomoと同様に泡立ちがあるので、うがいがしっかりとできるようになってから使いましょう。
出典:※8
6.ピジョン 親子で乳歯ケア ジェル状歯みがき
離乳食が進んできた頃、初めて購入したのがこちらの商品です。
なぜこれを選んだかというと、私自身虫歯になりやすかったので、早くからフッ素を取り入れたくて、6ヶ月から使えるこちらを選びました。
乳児の場合、このように吸って飲み込んでしまうので、フッ素は低濃度で十分だと思います。
本来は歯磨き粉を使わなくてもよい時期ですからね。
7.ピジョン ジェル状歯みがき ぷちきっず
1歳6ヶ月頃から使い始めました。
前回使っていたものの進化バージョンということと、よく行くお店に置いてあるので買いやすいことと、ブドウ味などの子供が好きな味があったからです。
こちらもおいしいらしく、喜んで使ってくれています。
8.ビーンスターク ハキラ
こちらは歯磨き粉ではありませんが、うちの子が自分磨きも仕上げ磨きも嫌がらずにやるようになった魔法のアイテムなのです!
検診で歯科衛生士さんから、
と聞き、奥歯が生え揃ってから買いました。
「ちゃんと仕上げ磨きまでできたらハキラ食べようね。」と言ってからは、多少嫌がるときもありますが、ちゃんと磨かせてくれるようになりました。
現時点で虫歯はゼロです。
歯磨き粉の使いかた
子供用の歯磨き粉は、年齢により適量が違ってきます。
はえはじめ~2歳 | 切った爪程度、約3mm程度 |
3歳~5歳 | 歯ブラシの3分の1程度、5mm以下 |
6歳から14歳 | 1cm程度 |
15歳以上 | 2cm |
こうして見てみると小さい子供はかなり量が少なくて大丈夫ですね。
出典:※9
大人用の歯磨き粉を使っても大丈夫ですか?
大人用の歯磨き粉と子供用の歯磨き粉の大きな違いは、スーッとしたミント味があるかどうかです。
大人はこのスーッとしたミント味が気持ちいいのですが、子供の場合はからく感じてしまいます。
この味が大丈夫なくらい大きくなってからか、本人が使いたいと言い出すまでは、からくない子供用の歯磨き粉がよいでしょう。
出典:※10
定期的に歯の検診をしてもらう
歯の定期検診は、虫歯予防に非常に効果的です。
もちろん親が見ただけではわからない初期の虫歯を見つけることも大事です。

しかし、早くから定期的に歯科に通うことで、適切な磨きかた、噛み合わせや歯並びのチェック、食事やおやつの食べかたなどの指導を受けることができます。
スウェーデンやアメリカは、歯の定期検診が大変盛んな国です。
80歳になった時点の歯の本数が、日本は8本に対して、スウェーデンは20本、アメリカは17本、イギリスは15本と、将来の歯の本数にも大きく影響してきます。
なるべく定期検診には連れて行ってあげたいですね。
画像引用:※11
子供の歯磨き粉に含まれている成分
子供の歯磨き粉も大人の歯磨き粉も、含まれている成分はそこまで違いません。
配合量が異なるという部分が大きいです。
歯磨き粉の基本成分
- 研磨剤
歯の表面についた歯垢やステインを落としてくれます。
歯がツルツルになることが実感できます。
- 潤滑剤
歯磨き粉に適度なしっとり感を与えてくれます。
- 香味料
香りや、爽快感をつけて歯磨きしやすくなります。
- 発泡剤
歯磨き粉を泡立たせる成分で汚れの除去を手助けしてくれます。
軽く磨いただけで泡がたつので、よく磨けた!と錯覚してしまうこともあります。
- 粘結剤
粉体と液体成分を結合させて、適度な粘性を与える働きがあります。
- 保存料
歯磨き粉の変質を防いでくれます。
引用:※12
この他に、薬用成分が目的に応じて含まれています。
例えば、虫歯予防のフッ素や、ケイ素、アルギン酸Na(食物繊維の1種)、歯周病対策になるイソプロピルメチルフェノール(IPMP)などの殺菌剤があげられます。
子供用歯磨き粉で注意が必要なのが、研磨剤と発泡剤です。
研磨剤は入っていないものか、歯や歯茎を傷つけるおそれが少ない低研磨のものを選ぶようにしましょう。
発泡剤も、子供用としてはあまり好ましくありません。
なるべく発泡剤も含まれていないか、含まれていても少しだけのものを選びましょう。
子供用歯磨き粉として市販されているもの、特に歯科医院で販売されているものに関しては、研磨剤も発泡剤も不使用または低量のものが多く、配慮がなされているものが多いです。
まとめ
虫歯予防にはフッ素が効果的と聞きますが、フッ素が入っていればどれでもよいわけではなく、研磨剤や発泡剤の有無など、なるべくその子の年齢や、うがいができるかどうかにあわせて選んであげるとよいですね。
もちろんフッ素は高濃度のほうがよいですが、うがいができるようになってからで構わないので、フッ素入りの歯磨き粉の使用を焦る必要はありません。
そして、この記事を作成するにあたって感じたことは、歯の磨きかたや、虫歯になりにくい食事をすることも、非常に大事ということです。
歯磨き粉だけでなく、歯磨き習慣や食事など全体を通して虫歯予防ができるとよいですね。
歯磨きをはじめるとまたひとつ悩みが増えます。それは子供が歯ブラシを噛むことです。大人用よりやわらかい毛先なのですぐダメになります。
しかし、簡単に毛先を復活させる方法があります。
くわしくはこちら>>子供が歯ブラシを噛むのはなぜ?【実録】3児のママが試行錯誤の末やめさせられたテクニックとは

出典:日本小児歯科学会 ※1
出典:西永福歯科※2※10
引用・出典:クリニカ-歯の健康基礎知識※3※4
出典:横浜・中川駅前歯科クリニック※5
出典:厚生労働省e-ヘルスネット※6※7
出典:ありた小児矯正歯科 ※8
出典:はぎわら歯科クリニック※9
画像引用:セントラル歯科医院※11
引用:成城歯科 ファーストデンタルクリニック※12
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