Photo credit: Micah Camara
植物性乳酸菌ってよく聞くけど、普通の乳酸菌とどう違うか知っていますか?
乳酸菌には「植物性乳酸菌」、「動物性乳酸菌」の2種類があります。テレビコマーシャルなどで「生きて腸に届く」と宣伝されているのは植物性乳酸菌です。
新しく開発された乳酸菌と思っている人が多いですが、実は昔から慣れ親しんだ食品にたっぷり含まれています。
今回は、植物性乳酸菌の5大効果と、色々な食材から作られた植物性乳酸菌の商品や、摂取する時に注意したい事までお伝えします。
最近よく聞く植物性乳酸菌とは?
テレビコマーシャルでも各社色々な植物性乳酸菌を販売していますよね。
音声あり ※注:イケメンの裸が嫌いな人は見ないで下さい。
日本人は古くから発酵食品を食べてきました。漬物やみそ、しょう油やお酒。
植物を栄養源として生育する乳酸菌を「植物性乳酸菌」といいます。
ヨーグルトやチーズに使われる乳酸菌は、動物由来の乳が元になり「動物性乳酸菌」と区別されます。
なぜ、最近は植物性乳酸菌を使用した商品が増えたのでしょうか?
それは日本人の腸と関係があります。
植物性乳酸菌は日本人の腸と相性バツグンです。
あなたは、1日1食は和食を食べていますか?洋食中心の方には、食事を見直してみませんか?
いつもの食事にプラス1品、『漬物を追加するだけで植物性乳酸菌を摂取』できます。
乳酸菌はヨーグルトなどから摂取している人も多いと思いますが、和食は簡単に植物性乳酸菌が摂取できますよ。
毎日ヨーグルトを食べるのは結構大変ですが漬物なら簡単ですよね。
植物性乳酸菌は動物性乳酸菌より胃酸に強く「生きて腸に届きます。」
体によい作用をもたらす生きた微生物をプロバイオティクスとも言いますが、植物性乳酸菌もその1つです。
さらに、日本人の腸と相性がいい理由がもう1つあります。
それは牛乳やヨーグルトなどの乳製品でお腹がゆるくなる人は「乳糖不耐性」(にゅうとうふたいしょう)かもしれません。
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の違いは他にもあるのでしょうか?
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の違いは?
生息場所と環境 | 植物性乳酸菌 | 動物性乳酸菌 |
---|---|---|
どこに? | 植物由来のすべての場所 | ミルク |
糖との関係 | ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖など | 乳糖 |
濃度の影響 | 濃淡はまちまち | 一定 |
栄養状態は影響する? | 栄養が豊富ではない所、バランスが悪い所でも生息できる | 栄養が豊富で、バランスがよい所 |
微生物との共存 | 様々な微生物と共存できる | おおむね単独 |
食塩の影響 | 高濃度でも生息可能 | 生息できない |
乳酸菌としての違いはありますが、両方併用しながら日々食べておくと相乗効果が期待できます。
一緒に摂ることで動物性乳酸菌の働きを活発にする効果があります。
植物性乳酸菌は他の菌共存できるので、酸耐性も強くなり「生きたまま腸」に届きやすくなり、植物性乳酸菌の方が色々活躍してくれそうです。
植物性乳酸菌、最大のメリットは極限状態でも生き抜く強さ
テレビコマーシャルで「生きたまま腸に届く!」そのように宣伝している乳酸菌商品もありますが、動物性乳酸菌は99%腸に届かず死滅します。
理由は、胃酸や胆汁酸などの消化液によって死滅するからです。
一方、植物性乳酸菌は耐性が強く、消化液への耐性もバッチリです。
乳酸菌が腸にまで届くと、腸の機能がアップして消化吸収や便秘・下痢にも効果を感じられます。
植物性乳酸菌は、漬物のように野菜と摂取できる場合、「食物繊維」が一緒に摂れるメリットがあります。
食物繊維は便通に関係したり、ビフィズス菌のエサとなって腸内環境を整えます。
コラム:確実に腸まで届かすには乳酸菌より死菌の方がいい!?
動物性乳酸菌は99%が腸に届かないとお伝えしました。植物性乳酸菌は耐性がありますが確実なものではありません。実は死滅した乳酸菌が一番腸に届くと言われています。
死菌と呼ばれる乳酸菌です。
乳酸菌EC-12
久光製薬が販売している乳酸菌「EC-12」。「エンテロコッカス・フェカリス菌」とよばれるヒト由来の乳酸菌です。
フェカリス菌は人間の腸内に存在する乳酸菌です。加熱処理を行い死菌にしています。死菌になると、消化も分解もされることなく腸まで届き、善玉菌を増加してくれます。
画像引用先:久光製薬
乳酸菌FK-23
FK-23も加熱処理された乳酸菌です。FK-23も同じく胃酸や胆汁酸により失われる心配がありません。
腸内フローラにとっては、腸内に乳酸菌がしっかり届く方がいいです。死菌は食事からは摂取できません。そうなると、植物性乳酸菌を大変ですが、毎日摂取するしかないですね。
または、手軽に摂取できるサプリメントを利用するのもいいでしょう。
久光製薬のEC-12は初回限定で1,955円(税込)+送料300円で販売されています。
植物性乳酸菌に秘められた特別な5つの効果
腸内環境を整えられる乳酸菌は他にもたくさんのメリットがあります。
- 整腸作用
- 美肌作用
- 免疫力向上
- 抗アレルギー作用
- メタボ改善
1.整腸作用
胃酸などの極限状態でも生きて腸に届きます。
2.美肌作用
整腸作用で腸がキレイになれば、吹き出物やニキビなどの肌トラブルは改善されます。
東洋医学でも、腸の汚れと肌のトラブルは深い関係性にあると考えられています。
3.免疫力向上
中略
南久則(みなみ ひさのり)教授(熊本県立大学 環境共生学部 食・健康環境)は、「乳酸菌摂取によりヒトの唾液IgA量増加が確認された初めての報告である。IgAの分泌を増加させることで、風邪やインフルエンザなどの感染症の予防に大きな期待ができるであろう」と、コメントしています。
大塚製薬株式会社
L.plantarum b0240のマウス腸管パイエル板細胞におけるIgA産生量
粘膜免疫とは、
編集部注:粘膜面でバイキンを見つけたらやっつけてくれるシステムです。
免疫グロブリンとは
編集部注:抗原とは、細菌やウイルスなどで「スギ花粉」も抗原です。
抗体とは、細菌やウイルスと戦う武器になります。ワクチン注射も抗体を作るために打ちます。
免疫グロブリンが増えれば「免疫力がアップ」した事になります。
IgA(アイジーエー)とは、
4.抗アレルギー作用
米菓子で有名な亀田製菓が発見した植物性乳酸菌K2には花粉症やアトピー性皮膚炎を緩和する効果があると発表しました。
なんと酒粕から分離して作られた乳酸菌です。
酒粕ってすごいですね!
参考URL:亀田製菓
5.メタボの予防改善
LP28株という植物性乳酸菌がマウス・ヒトによる研究によってメタボの予防改善に有効と発表されています。腸が整うと色々な事に効果がありますね。
ヒトでも抗肥満効果が確認されたことから、LP28はメタボリック症候群の予防改善に有効と結論づけた。植物乳酸菌LP28による体内脂肪蓄積抑制の分子機構解明とヒト臨床試験による検証
乳酸菌には、各メーカーや研究機関で開発発表された植物性乳酸菌があります。
植物性乳酸菌の種類や効果は株によって違います
1.ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)HSK201株
ドイツ生まれての植物性乳酸菌です。ドイツ料理「ザワークラフト」というキャベツの漬物をご存知ですか?
ザワークラフトから発見されたのがHSK201株です。
- 便秘予防
- 花粉症予防
- 免疫力アップ
- アトピー性皮膚炎
に効果があると言われています。
2.ラブレ菌(Lactobacillus brevis KB290)
ラブレ菌、商品をみると「知ってる」人も多いと思います。あなたはご存知ですか?
京漬物「すぐき漬」から発見された植物性乳酸菌です。
- 便秘予防と解消
- 免疫力アップ
に効果があると言われています。
主な商品:植物性乳酸菌ラブレ
3.Th221株、醤油由来の植物性乳酸菌
Th221株は「もろみ」から分離して作られた植物性乳酸菌です。「もろみ」は醤油の醸造過程からできます。
- 抗アレルギー作用
- アレルギー性鼻炎
- 免疫力アップ
に効果があると言われています。
主な商品:キッコーマンアレルクリアプラス
詳しくはこちら>>キッコーマン公式販売サイト
4.お米由来のK1株
亀田製菓が発見したK1株、お米に含まれている植物性乳酸菌なので日本人の腸にも合います。
- 便秘予防と解消
- 大腸がん予防
に効果があると言われています。
主な商品:亀田製菓 植物性乳酸菌の発芽玄米
5.抗アレルギー作用のK2株、酒粕由来の植物性乳酸菌
【植物性乳酸菌に秘められた特別な5つの効果】でも案内しましたが、酒粕由来の乳酸菌です。抗アレルギー作用なので色々な症状の緩和に使えます。
- 花粉症
- 目のかゆみ
- 涙目
に効果があると言われています。
主な商品:亀田製菓 ハイハイン
6.植物の葉から分離された植物性乳酸菌。SN13T株
SN13T株はピロリ菌の除菌効果があると言われています。
- 免疫力アップ
- ピロリ菌の除菌
に効果があると言われています。
主な商品:あせひら SN13Tドリンクヨーグルト
7.胃炎の予防にSN35N株
果物の梨から分離された植物性乳酸菌です。生きたまま腸に届き(プロバイオティクス)、胃炎の予防があると言われています。世界で最初に作られた植物性乳酸菌はSN35Nでした。
- 免疫力アップ
- 胃炎の予防
に効果があると言われています。
主な商品:野村乳業 飲む、植物乳酸菌
詳しくはこちら>>1897年創業野村乳業株式会社
8.守る力が2倍!S-PT84株
京漬物のしば漬けから分離された植物性乳酸菌です。
プロテクト乳酸菌とサントリーは呼んでおり、壊れにくく腸まで届きます。そのバリア成分が2倍になっています。
- 免疫力アップ
- インフルエンザの予防
に効果があると言われています。
主な商品:サントリーウエルネス プロテクト乳酸菌配合 プロディア
詳しくはこちら>>サントリー プロディア販売サイト
9.メタボの予防改善にLP28株
龍眼(ロンガン)から分離された植物性乳酸菌。
【植物性乳酸菌に秘められた特別な5つの効果】でもお伝えしたメタボリック症候群の予防に効果があると証明されています。
- 免疫力アップ
- メタボリック症候群の予防改善
に効果があると言われています。
主な商品:あせひら LP28 植物乳酸菌ドリンクヨーグルト
ヨーグルトやサプリメントから摂取できるとわかりましたが、和食を食べられていれば植物性乳酸菌は摂取できています。
植物性乳酸菌を摂取するなら和食がオススメ!
植物性乳酸菌を摂取するなら和食中心の食事にしてもらうと自然に摂取できます。
- 漬物
- 味噌
- 納豆
- 醤油
とくに漬物は1品追加するのがとても簡単ですね。
海外の食品だと、キムチ、ザーサイ、チャツネ(インド)、ピクルス、ザワークラフト(ドイツのキャベツの漬物)が植物性乳酸菌を摂取できます。
しかし、ザーサイは塩分が高く食べ過ぎには注意が必要です。
データ引用先:@食品成分データベース 文部科学省から作成しました。
順位 | 食品成分 | 食 塩 相 当 量(g) |
---|---|---|
1位 | 野菜類/ザーサイ/漬物 | 13.7 |
2位 | 野菜類/(だいこん類)/漬物/みそ漬 | 11.2 |
3位 | 野菜類/(しょうが類)/しょうが/漬物/酢漬 | 7.1 |
4位 | 野菜類/かぶ/漬物/ぬかみそ漬/根、皮むき | 6.9 |
5位 | 野菜類/(なす類)/漬物/こうじ漬 | 6.6 |
6位 | 野菜類/きゅうり/漬物/ぬかみそ漬 | 5.3 |
7位 | 野菜類/(だいこん類)/漬物/福神漬 | 5.1 |
8位 | 野菜類/(なす類)/漬物/からし漬 | 4.8 |
9位 | 野菜類/かぶ/漬物/塩漬/根、皮むき | 4.3 |
9位 | 野菜類/しろうり/漬物/奈良漬 | 4.3 |
9位 | 野菜類/(だいこん類)/漬物/たくあん漬/塩押しだいこん漬 | 4.3 |
12位 | 野菜類/きゅうり/漬物/しょうゆ漬 | 4.1 |
12位 | 野菜類/(なす類)/漬物/しば漬 | 4.1 |
14位 | 野菜類/かぶ/漬物/ぬかみそ漬/葉 | 3.8 |
14位 | 野菜類/(だいこん類)/漬物/ぬかみそ漬 | 3.8 |
16位 | 野菜類/(しょうが類)/しょうが/漬物/甘酢漬 | 3 |
16位 | 野菜類/(だいこん類)/漬物/べったら漬 | 3 |
18位 | 野菜類/かぶ/漬物/塩漬/根、皮つき | 2.8 |
19位 | 野菜類/きゅうり/漬物/塩漬 | 2.5 |
19位 | 野菜類/きゅうり/漬物/ピクルス/サワー型 | 2.5 |
19位 | 野菜類/(だいこん類)/漬物/たくあん漬/干しだいこん漬 | 2.5 |
19位 | 野菜類/(なす類)/漬物/ぬかみそ漬 | 2.5 |
23位 | 野菜類/のざわな/漬物/調味漬 | 2.4 |
24位 | 野菜類/かぶ/漬物/塩漬/葉 | 2.3 |
24位 | 野菜類/はくさい/漬物/塩漬 | 2.3 |
26位 | 野菜類/(なす類)/漬物/塩漬 | 2.2 |
26位 | 野菜類/はくさい/漬物/キムチ | 2.2 |
28位 | 野菜類/しろうり/漬物/塩漬 | 2 |
29位 | 野菜類/のざわな/漬物/塩漬 | 1.5 |
30位 | 野菜類/きゅうり/漬物/ピクルス/スイート型 | 1.1 |
数値は100g中に含まれる食塩相当量です。
塩分過多の危険性があるのが、植物性乳酸菌のデメリット
先ほどの表を見てもらうとザーサイは塩分がかなり高いです。植物性乳酸菌は塩分濃度が高い食品に含まれている事が多いです。
何も考えずに食べ続けると高血圧症になる危険性もあります。
厚生労働省は、1日の1人あたりの塩の目標摂取量を下記のように設定しています。
日本人のナトリウム(食塩相当量)の目標量
- 男性8.0g/日未満
- 女性7.0g/日未満
2015年4月1日改訂
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腸内環境を整える3つの鉄板対策
善玉菌が増えれば腸内環境も整います。
この善玉菌を増やすために「乳酸菌」が必要です。生きたまま腸に届くには植物性乳酸菌がやっぱりいいです。
※食事で植物性乳酸菌を摂取する暇が無い方は、サプリメントになりますが、EC-12、FK-23などの死菌とよばれる乳酸菌の方が確実に腸に届きます。
- 食事から摂取する
- プロバイオティクス(生きたまま腸に届く)植物性乳酸菌配合のヨーグルト製品を摂取する
- サプリメントで手軽に摂取する
食事からは塩分濃度に注意する必要があります。
ヨーグルト製品は意外と値段が高く、毎日食べるのも大変です。手軽なものはラクスラなどのサプリメントですね。
おまけ:腸内環境は毎日の便で確認できます
理想的な便は、
- バナナ状
- 硬くもなく柔らかくもなく排便がスムーズ
- 黄金色~茶色がいい
- 匂いも少ない
です。
硬い・コロコロうんち・未消化下痢・水のような下痢、黒すぎる、赤すぎる、臭い
毎日のようにこのような便が続く場合、早めに病院で相談してください。
詳しい便のタイプを知りたい人はこちらのサイトが便利です。
日本ケミファ株式会社
植物性乳酸菌は、日本人なら昔からあたり前のように摂取していました。最近は洋食が増えてしまい腸内環境が乱れてしまい、肌荒れや胃腸の調子も悪くなってしまいます。
あなたは経験ないですか?
便秘が数日続くと、「お化粧ノリが悪かったり」、「ニキビが出たり」、これは腸内環境が悪いのでお肌トラブルになっている証拠です。植物性乳酸菌を積極的に摂取しましょう!
植物性乳酸菌は、腸内環境を整えてくれます。しかし、腸内に「デブ菌」が存在していると痩せられないというのをご存知ですか?
くわしくはこちら>デブ菌とは…腸内にいると痩せられないの?デブ菌で15kg増えた事実が怖すぎる
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