甘酒は子供が飲んでも大丈夫?【新常識】甘酒の美容効果と甘酒お菓子レシピ3選
先日スーパーに行ったとき、甘酒の売場で、小さい女の子が母親らしき女性に質問しているのをみかけました。
子供も飲めるという認識は当たり前のようにありましたが、そのように聞かれると確かに不思議ですよね。
そもそも子供も飲めるといっても、
- 何歳から飲んでいいのか?
- アルコールははいっているのか?
意外に知らない人は多いのではないでしょうか。今回は、子供が飲んでも大丈夫な「甘酒」について解説と、パティシエだった私のレシピも含めた、甘酒を使ったお菓子レシピも公開します。
お伝えすること:目次
甘酒は子供が飲んでもいいの?
甘酒の分類ですが、商品としては“清涼飲料水”という表記になっています。
もちろん、購入するときに「年齢確認」などもされません。
子供が飲んでも法律上、何の問題もありません。ただし、注意したいのは、甘酒には2種類の作りかたがあるということです。
どういった違いがあるのでしょうか。
酒粕で作る甘酒
酒粕を水で溶き、そこに砂糖をくわえて甘くした物です。
酒粕を使用するので、ごくごくわずかですが、アルコール成分がはいっています。
市販で売られている甘酒はこちらのタイプが多いです。
酒粕甘酒に含まれているアルコール分は1%未満ではありますが、お子さんや酒に弱い人、車の運転をされるかたは注意が必要です。
1杯飲んだ程度では、ほとんど影響はありませんが、2杯3杯と飲めば当然、血中アルコール濃度は多くなります。
同じように酒粕を使う食べものに粕汁があります。過去に粕汁を2杯飲んだあとで車の運転をした人が、飲酒検問に引っかかったというデータがあります。
出典:Wikipedia
米麹で作る甘酒
お米と米麹を発酵させて作ります。
お米の成分だけなのでアルコールはゼロ。
発酵の時に甘みが出るので、砂糖もはいりません。酒粕甘酒より値段が高いです。
お正月に神社に初詣に行くと、甘酒がふるまわれていることがありますが、「車で来てるんだけど大丈夫?」と確認したほうがいいですね。
赤ちゃんや妊婦さんも飲めるの?
ほとんど影響は無いです。しかし、「酒粕甘酒」にはアルコールがはいっています。
赤ちゃんや妊婦さんが飲む場合は、アルコールゼロの「米麹甘酒」にしましょう。
妊娠中に安産祈願で神社に行ったら、甘酒をもらえたという人もいるのではないでしょうか?
“母乳の出がよくなる”として渡される甘酒も、米麹の甘酒です。
私も、妊娠中に安産祈願に行ったときに、甘酒をいただきました。
もともと甘酒が苦手だったのですが、このときはじめて米麹の甘酒を飲み、甘くて美味しくて驚きました。
それ以降は、甘酒を購入するとき、値段は高めですが、米麹の甘酒を選ぶようにしています。
米麹の甘酒を赤ちゃんに飲ませる時期は、味覚がしっかりしてくる“1歳前後”からがよいでしょう。
そのまま飲ませてもよいですが、甘すぎるかな?と思ったら少しお湯で薄めてあげてください。
そのまま飲むだけでなく、離乳食やおやつにも使うことができますよ。 (後述)
砂糖を使うかわりに甘酒を使って、アレンジしてみましょう。フルーツと一緒にミキサーにかけてミックスジュースにしてあげてもよいですね。
甘酒の栄養成分とその効果について
昔から甘酒は“飲む点滴”といわれ、非常に栄養価が高い飲みものです。
今では、冬の飲みもののイメージが強いですよね。江戸時代では、暑い日に“夏バテ防止”として飲まれていました。
今でいう栄養ドリンクのようなものですね。そのため、俳句では“甘酒は夏の季語”として使用されています。
出典:Wikipedia
甘酒に含まれる美容のための栄養素
ビタミンB1、B2、B6、葉酸、食物繊維、オリゴ糖やブドウ糖、システイン、アルギニン、グルタミンにくわえて、必須アミノ酸全種類が含まれています。
それぞれの栄養素の効果をみていきましょう。
ビタミンB1
体内のエネルギーを生みだし、疲労回復の効果があります。
ビタミンB2
皮膚や粘膜の細胞の成長を促進させます。肌や髪を美しく健康に保ちます。
ビタミンB6
体内の新陳代謝をうながし、神経の興奮をおさえる効果があるとされています。月経前症候群やつわりにも効果があるというデータがあります。
出典:わかさ生活
葉酸
赤血球を作る働きがあり、貧血の予防などに効果があります。また、胎児の発育を助け、先天性異常などのリスクを軽減することから、妊娠初期に積極的に摂取することを厚生労働省が推奨しています。
女性は意識して摂取したい栄養素です。“授乳中も必要”です。
妊婦の葉酸摂取推奨量(1日)480μg
授乳中の葉酸摂取推奨量(1日)340μg
産後のママの体調不良は葉酸不足が原因かもしれません。
くわしくはこちら> 産後も葉酸が必要な9つの理由!抜け毛頭痛は葉酸不足が原因
食物繊維
消化酵素で消化されない成分で、腸内環境を整える効果があります。
便秘などの改善によいとされます。コレステロールの吸収をおさえる作用もあるため、摂取することでダイエット効果もあり、生活習慣病の予防にもなります。
食物繊維の中で最強かもしれないプロファイバーをご存知ですか?
くわしくはこちら> プロファイバーの効果があなたの腸内環境には必要な5つの理由
オリゴ糖
腸内の善玉菌(ビフィズス菌)のエサとなり、腸内環境を改善してくれます。便秘を解消します。
ブドウ糖
筋肉や臓器のエネルギー源となります。特に脳はブドウ糖以外からはエネルギーを摂れず、自分で作ることもできないでの、ブドウ糖が不足すると、集中力の低下などを引き起こします。
システイン
シミなどの原因を抑制させる効果があります。美肌や老化防止によいとされています。
アルギニン
成長ホルモンの分泌をうながします。血流を改善し、疲労回復、免疫力を高める効果があります。
グルタミン
胃腸や筋肉の働きをサポートする力があります。体の免疫力を高める効果があります。
必須アミノ酸
ヒトの体が必要とする20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類のアミノ酸。全て必要な栄養素であり、体外から摂取しなければいけません。
それぞれの効果をみてみれば、甘酒が“飲む点滴”といわれる理由がわかりますね。
とくに、美肌効果、便秘の解消、風邪予防など、女性には嬉しい効果が期待できますね。
神社の甘酒について
昔は夏の飲みものとされていた甘酒ですが、現代では冬に飲むイメージが強いです。初詣など神社でふるまわれるのをみているからでしょう。
そもそもなぜ、お正月に神社で甘酒がふるまわれるのでしょうか?
神社で甘酒がふるまわれる3つ理由
- 寒いからだをあたためる
- 御屠蘇(おとそ)のかわり
- 米農家の風習が残っている
などが考えられます。
1.寒い身体をあたためる
お正月、とくに年越しを神社でむかえる人や、元旦の早朝から初詣に来られる人はとうぜん体が冷えてしまいます。
神社の中には、甘酒を無料配布しているところもあります。参拝者の体を少しでもあたためようという神社側の心づかいが感じられますね。
2.御屠蘇(おとそ)のかわり
御屠蘇(おとそ)とは、新年に1年間の無病息災を願ってのまれる縁起物のお酒で、そのかわりとして甘酒がふるまわれていると考えられます。
確かに、家族で初詣に来たのに大人にしかあたたかい飲みものがふるまわれないというのも子供には酷ですよね。
子供も大人も、初詣に来た人みんなに配られるあたたかい飲みものとしては、甘酒は最適ですね。
3.米農家の風習が残っている
甘酒は米から作られるので、古くから米農家の家では、収穫祭などに甘酒を作ってそなえられてきました。
その風習の名残として、新年のおめでたい日に、神社では甘酒がふるまわれるようになったということです。
甘酒を自宅で作るには?
最近は市販の甘酒もたくさん売られていますが、1度は自分で作ってみたいと思う人もいるのではないでしょうか。
酒粕甘酒、米麹甘酒、どちらも自宅で作ることは可能です。
作りかたも色々ありますが、手間のかからない作りかたをご紹介します。
酒粕をつかった甘酒の作りかた
準備するもの
- 酒粕・・・100g
- 水・・・500cc
- 砂糖・・・大さじ2~3
- 塩・・・少々
作りかた
- 酒粕は適当な大きさにちぎり、水と合わせておきます。
- 2時間~1晩おいて、酒粕を水になじませます。
- 木べらなどで混ぜ合わせて酒粕を溶かし、火にかけます。
- 砂糖と塩を加え、沸騰する直線に火を止めます。(アルコールを飛ばしたいばあいは、少し沸騰させてもよいです。)
- お好みで生姜を加えてできあがりです。
米麹をつかった甘酒の作りかた
準備するもの
- 米麹・・・200g
- 水・・・400cc
作りかた
- 水は1度沸騰させて冷ましておく。
- 鍋に水をいれ、65度まで温める。
- 温度が上がったら火を止めて米麹をいれる。
- 弱火でかき混ぜながら再び65度になるまで温める。
- 鍋を火からおろし、甘酒を魔法瓶にうつして、8時間ほど放置する。
この作りかたは、米麹のみで作る「はやつくり」という製法で、いい麹が手にはいったときにおすすめです。
また、魔法瓶に放置後5時間ほどで1度鍋にあけて、再び60度まであたためてまた魔法瓶にうつし放置すれば、より美味しい甘酒になるそうです。
お粥を作って発酵させて……という作業は少し手間がかかりそうですが、この方法なら簡単にできるので、ぜひ試してみてください。
出典:蔵元桝塚味噌
甘酒を使ったお菓子レシピ
そのまま飲むだけでも充分美味しい甘酒ですが、アレンジして美味しいお菓子はどうですか?
甘酒をつかったお菓子のレシピを紹介します。
離乳食後期の赤ちゃんのおやつにも!甘酒の蒸しパン
画像はイメージです。
準備するもの
- 甘酒・・・150g(米麹甘酒)
- 薄力粉・・・150g
- ベーキングパウダー・・・小さじ2
- ぬるま湯・・・150cc
- さつまいも・・・30g
ポイント
- さつまいもは蒸して、皮を剥き1cm角に切っておく。
- 薄力粉・ベーキングパウダーはあわせてふるっておく
- 混ぜる作業はすべてゴムベラで。
作りかた
- 甘酒と粉をあわせてダマにならないように混ぜる。(混ぜすぎると粘りがでるので注意)
- 1にぬるま湯を少しずついれながらサックリと混ぜる。
- 2にさつまいもをいれて軽く混ぜあわせて器にいれる。
- 蒸し器で15~20分。竹串を刺して生地が付いてこなければできあがり。
米麹甘酒で作ります。
さつまいもをりんごやバナナにかえても美味しくなります。
離乳食期のおやつを想定した作りかたです。そうでない場合、さつまいもは皮つきでもできます。
やさしい口どけのアイスクリーム
画像はイメージです。
準備するもの
- 甘酒・・・ 200cc
- 卵黄・・・ 3個
- グラニュー糖・・・10g
- 生クリーム・・・ 70cc
ポイント
- 生クリームは角が立つぐらいに泡立てておく。
- 使用する鍋がはいるサイズの容器に氷水をいれておく。
- 冷凍庫で冷やす際は金属製の容器で。
作りかた
- 卵黄とグラニュー糖をあわせて白っぽくなるまで混ぜる。
- 甘酒を鍋にいれて火にかけ沸騰直前まで温める。
- 2に1を合わせ、木べらで鍋底を混ぜながら弱火にかける。
- サラサラしていた液がトロンとしたら火をとめ、すぐに氷水をいれた容器に鍋ごとつける。
- 木べらで混ぜながら冷やしたら、裏ごし。
- 泡立てた生クリームと5をあわせて、均等に混ぜて冷凍庫へ。
- 5~6時間ほど冷凍庫で冷やす。30分~1時間おきぐらいに「冷凍庫から出しては混ぜる」を繰り返す。
ポイント
- 4.5の作業は素早く!液に火がはいりすぎると固まったり、焦げついたりするので注意!
- 泡立てた生クリームをいれることで、ふんわりとした食感のアイスクリームになります。
- 米麹の甘酒で作ることがおすすめですが、酒粕甘酒でも美味しく仕上がります。
体ポカポカ! しょうがと甘酒のパウンドケーキ
画像はイメージです。
準備するもの
- 甘酒・・・70cc
- 砂糖・・・30g
- 卵・・・2個
- バター・・・100g
- 薄力粉・・・100g
- しょうが甘煮・・・50g
ポイント
- 砂糖はきび砂糖や上白糖がおすすめ。
- しょうが甘煮は4mm角に刻む。
- 薄力粉はふるっておく。
- バターは電子レンジか湯せんで溶かしておく。
- こちらのレシピは酒粕の甘酒で作るとよくあいます。もちろん米麹でも美味しいですよ。
作りかた
- 卵と砂糖をあわせて泡立てる。
- 甘酒は鍋にいれて火にかけ人肌より少し熱いぐらいまであたためる。(40度ぐらい)
- 1に2をあわせ、ハンドミキサーの「高速」で混ぜて、もったりしてきたら速度を落とす。
- 溶かしたバターをいれて全体に混ぜる。
- 薄力粉をいれてゴムベラで混ぜる。粉が均等に混ざってから10回ほどさらに混ぜる。
- 生姜をいれてトロっとするまで混ぜる。
- 180度のオーブンで35~40分。
しょうがの甘煮は市販で買えますが、自分で作るときは
- 生姜(6mmスライス)・・・150g
- グラニュー糖・・・125g
- 水・・・225g
鍋にグラニュー糖と水をあせて沸騰させたとこにしょうがをいれ、とろ火で1時間程煮ます。
あまったしょうがは、瓶にいれて冷蔵庫などで保管できます。
お菓子作りに甘酒をつかうことで、砂糖の量を減らせるので、ヘルシーで健康にもよいですね。
ぜひ、色々試してみてください。
おわりに
米こうじの甘酒なら、子供が飲んでも大丈夫なだけでなく、たくさんの栄養があることもわかりましたね。
便秘や肌荒れに悩むかたや、産前産後、病中病後にはぜひ積極的に摂取したい飲みものです。
もちろん、日々の健康作りのためにも、冬だけでなく1年とおして飲むことがオススメです。
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